4月のガーデニング作業
寒暖の差はあっても、天気の良い昼間などは、
薄手一枚で過ごせることが増えてきます。
風も暖かくなり、外での作業も楽しくなってくる頃です。
人間だけでなく、植物や虫の活動も旺盛になってくるので、
それに合わせた作業が必要になってきます。
■種まき
暖かくなってくると、種まきができる植物も増えてきます。
適期を逃すと、その後の生育に大きく影響するので、
できるだけ適期のうちに済ませるようにします。
また、気温が上がり、お天気の良い日が増えると土が乾きやすくなります。
種をまいてから本葉が出るまでは、
用土が乾かないように注意して育苗するようにしましょう。
・花の種
ガーベラ、ゼラニウム、バーベナ、マリーゴールド、キンギョソウなど
・ハーブの種
カモミール、オレガノ、コリアンダー、タイム、ディル、パセリ、ミント、
ローズマリー、セージ、バジル、ラベンダーなど
・野菜の種
トウモロコシ、ダイコン、カボチャ、キュウリ、ニンジンなど
■球根の植え付け
春に球根を植え付けて、初夏~秋にかけて花を楽しむ春植え球根の季節です。
中にはすでにポットに球根が植わっていて、
芽が出ている状態の芽だし苗も販売されていることがあります。
ラナンキュラス、グラジオラス、アッツザクラ、アルストロメリア、ダリア、カラーなど
■苗の植え付け
気温が安定して暖かくなってくるこの時期、
様々な植物の苗が植え付けの時期に入ります。
特に冬の間に休眠していた植物は生育期に入る頃です。
暖かい地方が原産の植物などは、この時期に植え付けをするものが多いです。
クレマチス、サクラ、ザクロ、サルスベリ、ムラサキシキブ、マーガレット、トケイソウなど
■株分け
暖かくなってくると、植え替えを兼ねて株分けできる植物がでてきます。
株分けする時は、あまり小さく株分けしないのがコツです。
小さくしすぎると、翌年に花をつけにくくなるからです。
アガパンサス、カトレア、シンビジウムなど
■害虫対策
4月になって暖かい陽気が続くと、花の開花とともに害虫も増えていきます。
3月頃からだんだんとアブラムシが飛来する数が増え、
その他にもヨトウムシなどの幼虫もみかけるようになります。
アブラムシやカイガラムシは、
数が増えると吸汁する量が増えて植物が衰弱する上、
病原菌を媒介するので、見つけ次第捕殺するように気を付けます。
イモムシなどの幼虫類は、本体の姿が見えなくても、
葉などに糞がついていればどこかに潜んでいます。
葉と葉の隙間や葉の裏、わずかな隙間などに隠れていることが多いので、
くまなく観察して、見つけたら捕殺します。
糞があるのに姿が見えない時は、昼間ではなく夕方以降に探してみましょう。
ヨトウムシなどは昼間よりも夜に姿を現すことが多いため、
明るいうちに探してもなかなか見つけることができないことがよくあります。
チェックする時間帯をずらすことで、本体を発見できることもあるので、
色々と試してみるようにしましょう。
■庭木の剪定
庭木の種類によって、弱剪定のものと強剪定のものとがあります。
それぞれに残す芽の数や剪定の方法など、少しずつ違っていますので、
育てている庭木に合わせた剪定を調べてから行うようにしましょう。
・弱剪定
枝先を軽く切り戻したり、混んでいる枝を間引いて風通しをよくするなど、
比較的軽い剪定で済む庭木です。
アオキ、キンモクセイ、オリーブ、ギンヨウアカシア、サザンカ、ツバキ、ミツマタなど
・強剪定
数芽残すだけの強い切り戻しや、
枝の更新などで付け根から枝を切るような強い剪定をする庭木です。
イヌツゲ、オオデマリ、コニファー、ツツジ、ナンテン、ハナモモ、ピラカンサ、ユキヤナギなど
■その他の作業
・防寒の撤去
寒さ対策のために敷いていたマルチなどは、
本来は3月中に撤去するのが望ましいです。
けれど、その年の状況によって(特別に寒さが長引いたなど)は、
4月までマルチをしたままになることもあるでしょう。
そんな時は、4月の上旬頃までに撤去するようにしましょう。
あまり長く防寒対策をしていると、蒸れて株を傷めてしまうことがあります。
・花ガラ摘み
春の花が真っ盛りになる4月は、
それまでより花ガラ摘みをこまめに行うようにしましょう。
ビオラやパンジー、プリムラなどは次から次に花を咲かせます。
花びらが散るまで待たずに、少し傷んだなと思ったら摘むようにすると、
見た目の美しさも保たれる上、株の負担が減ります。
・追肥
花を咲かせ続けるには、やはりそうとうの力を消耗します。
肥料切れを起こすと、花数が減ったり、突然枯れる原因になるので、
追肥が必要な植物には忘れずに追肥するようにしましょう。
日陰の玄関 ガーデニング
玄関を植物で華やかに飾りたい!
でも日当たりがよくないし……と諦めてはいませんか?
「日当たりがよくない」と一口に言っても、状況は様々です。
自宅の玄関の環境を活かして、ガーデニングを楽しみましょう。
[日陰の玄関 ガーデニング]
■日照のチェック
環境を知る第一歩は、日当たりの状態を知ることです。
日当たりが悪いと思っていても、季節や時間帯によっては、
数時間でも日のさす時間があるかもしれません。
・午前中に1時間~3時間ほど日が当たる
いわゆる半日陰ですが、この環境を好む植物は多いです。
夏場であっても、午後から日が遮られるので暑くなりすぎず、
管理も楽になり、植物にとっても過ごしやすい場所です。
・午後から1時間~3時間ほど日が当たる
午後に数時間の日当たりがあれば、
日当たりを好む植物を植えることができるかもしれません。
ただし、夏には気温が上がりやすくなるので、
遮光するなどの対処が必要なことがあります。
・西日のみ当たる
多くの植物は、西日が苦手です。
特に、夏の西日は強すぎて、葉焼けを起こしたり、
土を高温にして根を傷めたりと、良いことはあまりありません。
遮光ネットなどで日を遮ったり、物を置いて陰を作ることで、
西日に対処することはできるので、
西日の当たる場所に植えられる植物も多いです。
・日のさす時間がまったくない
いわゆる日陰の状態ですが、暗い場所なのか、
直射は当たらないが明るい場所なのかによっても、
植えられる植物は変わってきます。
直射が当たらなくても、開けた明るい場所というだけで、
植物にとっては大きな環境の違いなのです。
■地面のチェック
・土がある
玄関前がたたきになっておらず、土がある場合は、
花壇を作ったり地植えにしたりすることができます。
ただ、ほとんどの場合は植物を育てるのに向かない土ですので、
花木や植物のための土壌改良が必要になります。
・土がない
コンクリートやタイル敷きになっていて土がない場合は、
鉢植えやプランター植えにした植物を置くことができます。
鉢植えは気軽に移動することができるので、
まだどのように植栽するか定まっていない時でも便利です。
また、レンガや木枠を使って植えマスを作ることにより、
花壇のようにすることもできます。
地面があるなしにかかわらず、フェンスや花台を使うことで、
日光を浴びることができたり立体的なスペースを作れます。
■湿気のチェック
直射日光がささない場所は、乾燥しにくいという利点がありますが、
逆にいうと湿気がこもりやすいことが多いです。
湿気た環境を好む植物もありますので、
そういったものばかりを集めることで、
環境に適したガーデニングをすることができます。
また、たたきになっていない土であっても、
盛り上げたり花壇にしたりすることで、水はけがよくなり、
じめじめした環境になりにくくすることができます。
■夏に注意したいこと
日陰になっている場所は、夏でも涼しそうに見えますが、
日向に比べると気温が上がらない程度で、暑いことに変わりはありません。
むしろ高温多湿の状態になりやすいことが多く、
風通しの良い環境を作っておかないと、植物が傷むことがあります。
また水はけをよくした状態にしていると、
乾燥しやすくなり、水切れを起こしやすくなってしまいます。
乾きやすい時には、マルチをして乾燥を防ぐと良いです。
■日陰に強い植物
◎花系統
アジサイ
ヤマアジサイやアジサイは、日陰に強い花木として有名です。
和風の花のイメージがありますが、洋風にも合います。
カタクリ
日本に自生しているカタクリは、少し性質が弱いので、
初心者の方はセイヨウカタクリの園芸品種を植えることをおすすめします。
クリスマスローズ
日陰を彩る花で人気の高いクリスマスローズですが、
ほとんどの品種はクリスマス時期ではなく、早春~春にかけて花を咲かせます。
咲き始めから咲き終わりまで色の変化が楽しめるものが多く、花持ちがいいのも魅力です。
シュウメイギク
丈夫で、年をおうごとに大株になっていき、花数が増えていきます。
普通種は花茎が長く、背丈が高くなるので、コンパクトにしたい場合は小型種を選びましょう。
ハナニラ
白や青の星形の花を咲かせる球根植物です。
植えっぱなしでもどんどん増えるので、手間がかかりません。
まとまって咲くと見ごたえがあります。
◎リーフ系統
アジュガ
品種により様々な葉色がありますが、濃い色が多いので、
明るい色の植物と合わせると、コントラストが出て美しいです。
初夏に咲かせる花もかわいらしく、観賞価値が高いです。
ギボウシ
日本でも海外でも、とても人気の高い植物です。
日陰と湿気に強く、冬は地上部が枯れてなくなりますが、耐寒性が高いので春にまた芽吹きます。
明るい葉色のものが多いので、日陰を明るくしてくれます。
シダ
小型のものから大型のものまであり、意外と存在感の高い植物です。
和風のイメージが強いですが、使い方次第で洋風にも合います。
ヤブラン
細い葉をたくさん出してよく茂るので、風がふいてそよぐ姿は、とても涼しげです。
常緑なので、寂しくなりがちな冬の間も楽しめます。
アジサイの種類
アジサイ(紫陽花)は、
梅雨の風景に美しい彩りを添えてくれる花です。
子供のころから見聞きしている、なじみ深い花ですが、
よく見るといろいろな種類の花の形があるのが分かります。
アジサイを育ててみると、
花の色や形も多彩で、奥深い植物のようですね。
■アジサイとは?
アジサイは日本人にはなじみ深い植物です。
アジサイを知れば知るほど、その魅力が深まります。
・原産国
アジサイは日本原産の植物で、
古くは万葉集に「安治佐為」「味狭藍」という呼び名で登場します。
現在でも俳句の世界では夏の季語として親しまれていますね。
アジサイは、草本性のものはユキノシタ科アジサイ属、
木本性のものはアジサイ科アジサイ属に分類されています。
アジサイ属は日本のほか、
東南アジア、インド、北アメリカなどにも自生しています。
日本には、14種類ものアジサイが自生していますが、
最近は外国種のアジサイも人気を呼んでいます。
■アジサイの種類
アジサイの種類は4系統に分かれます。
・アジサイ(ガクアジサイ)
アジサイの基本形はガクアジサイという品種です。
アジサイと聞いて一般的に思い浮かべる、
てまり上の花はガクアジサイの変種になります。
・ヤマアジサイ
北海道から九州まで広く分布する落葉小低木です。
ガク型や手まり型の花があり、枝が細くて華奢な印象を受けます。
・西洋アジサイ(ハイドランジア)
西洋アジサイはもともとは日本のアジサイでした。
欧米で品種改良が進み、日本に逆輸入されたものが西洋アジサイです。
・外国種のアジサイ
外国産のアジサイは、北アメリカ原産のカシワバアジサイや、
大きな手まり型の花が魅力のアナベル(写真)が人気です。
■アジサイの好きな環境
アジサイの好む環境は肥沃で湿潤な半日陰です。
しかし、日当たりが悪すぎると花付きが悪くなります。
アジサイは梅雨時の花のイメージがありますが、
水を好み、夏の強い日差しと乾燥は苦手です。
■アジサイの花の形
アジサイの花の形は大きく分けて、
ガク型と手まり型に分けることができます。
アジサイの基本形はガク型です。
ガク型の花は、両性花と呼ばれる小さい花が、
中央に丸く集まっていて、その周囲を装飾花が囲んでいます。
両性花には雄しべと雌しべがあり、大きな花弁をもたない小さな花で、
咲き終ると種子をつけます。
手まり型は装飾花のみが集まったものや、
両性花があっても装飾花に隠れて見えない、
手まりのように丸い形をしています。
アジサイの育て方については↓
アジサイの育て方.net