スカシユリの育て方
スカシユリ(Lilium maculatum Thunb)は、
花びらが重ならずに隙間がある花姿をしているため、
「透かし」というように名付けられました。
ユリは半日陰を好む品種も多いですが、
スカシユリは日当たりを好みます。
また、ユリの花の多くは横向きや下向きに咲くのに対し、
スカシユリは上向きに花を咲かせます。
そのためか、明るいイメージがあるユリです。
ユリの中でも品種が多く育てやすい部類に属しているので、
気軽に育てられるところも魅力です。
[スカシユリの育て方]
■植え付け時期
スカシユリは、他のユリ同様、秋に球根を植えます。
10月~11月が植え付け適期です。
■植え付け場所
スカシユリは日向を好むため、日当たりの良い場所を選びます。
■植え付け方
◎庭植え
植え付けの10日程前に、苦土石灰や堆肥、化成肥料を混和し、
よく耕しておきます。
水はけが悪いようなら腐葉土も混ぜ込みます。
球根の大きさの3倍の土が乗る深さに植え付け、
株間は球根の大きさの3~4倍とします。
植え付け後はたっぷりと水やりをします。
◎鉢植え
鉢植えの場合は、庭土をそのまま使うと、
細かい粒子が入っているため目詰まりをおこすことがあります。
スカシユリは過湿を嫌うため、水はけの良い用土を準備します。
赤玉土と腐葉土を7:3または6:4の 割合で混ぜ、
緩効性化成肥料を 用土1リットル当たり4グラム加えます。
市販のユリ用専用土を利用しても良いでしょう。
深鉢にゴロ土を1~2cm敷き、用土を数cm入れ、
その上に球根を並べます。
株間は、庭植えと同じく球根の大きさの3~4倍とします。
6号鉢に3球を目安とします。
品種にもよりますので、ラベルも確認してください。
覆土は庭植えよりやや浅く、球根の大きさの約2倍とします。
植え付け後はたっぷりと水やりをします。
■冬越え
スカシユリに限らず、ユリは冬の寒さにあたらないと開花しません。
鉢は屋外で管理し、しっかり寒さに当てましょう。
ただし、寒冷地の場合は凍結が心配です。
腐葉土で鉢の表面を厚く覆ったり、鉢ごと地中に埋めるなど、
寒さに応じた対策をとりましょう。
翌春2~4月に出芽しますが、
鉢植えの場合は、まだ芽が出ていない冬の間も、
鉢土が極度に乾燥しないよう適宜水やりをします。
芽を出してはいませんが、
下根をのばして、芽を出す準備をしています。
芽が出たら、西日の当たらない南向きの場所に置き、
鉢の表面が白っぽく乾いたら水やりをします。
■追肥
追肥は、春(3月末頃)と開花が終わる時期に、
株の周囲に緩効性化成肥料を施します。
冬期間は下根をのばしていますが、
下根には養分を吸収する機能はないため、追肥は不要です。
鉢植えの場合は、芽が出た時から花後まで、
緩効性化成肥料を置肥するか、液肥を定期的に与えます。
肥料が多いと花付きが良くなりますが、
多すぎると枯死することもあるため、
多肥には十分に注意します。
■花がら摘み
5~7月、花を咲かせます。
花が終わったら、すぐに花を摘みます。
花を放置しておくと、タネを作るために栄養がタネにまわり、
球根が肥大しにくくなります。
球根がしっかり肥大しないと、翌年の花が小さくなったり、
花をつけなかったりするため、必ず花は摘みましょう。
摘む場所は、花の下の「子房」と呼ばれる膨らんだ箇所です。
■植え替え
植え替えは、葉が枯れる10月~11月頃に行います。
庭植えの場合は2~3年は植えっぱなしで良いですが、
鉢植えは毎年植え替えを行うと良い花が咲きます。
球根を掘り上げたら、球根の上に伸びている上根は切り取り、
球根の下から伸びている下根はそのままにして、
乾燥しないよう直ちに植え付けます。
ユリは連作を嫌うため、
庭植えの場合は前に植えた場所とは違う場所に植え付けます。
鉢植えの場合は、新しい用土を使用します。
■病害虫
気温が上がり始める5月頃から、アブラムシの被害が多く出始めます。
アブラムシはウイルス病などを媒介するため、
見つけ次第手作業か薬剤で駆除します。
ガーデニングフェンス
ガーデニングフェンスや柵は、ガーデン作りに役立つアイテムのひとつです。
庭作りの雰囲気に合わせて活用すると、植物たちの印象が際立ちます。
■素材、デザイン、色
素材には鉄製、銅製、木製、プラスチックなどがあります。
デザインもアーチ型、リーフデザインを施したもの、ヨーロピアン調のもの、
また、シンプルな木製のガーデニングフェンス等、さまざまです。
色も、そのまま木の色や白い塗装が施されたり、黒、こげ茶など。
同じような色でも、素材が違うと、また雰囲気もずいぶん違って見えます。
ガーデ二ングフェンスで、外から見えないように目隠しもできます。
同時に、外から咲いている花も見えながら柵と花がしっかりマッチして、
花壇をより一層美しく、洗練されたように見せることもできます。
■フェンスの種類
それぞれ目的や庭のイメージによって、選び方も変わってきます。
天然木は味があって好んで使うかたも多いと思いますが、
防汚・防カビ・防錆塗装が施されていないと、害虫や腐食が心配です。
しかし、木製のように見えるプラスチック樹脂でできたものは、
防虫防腐に悩まされることはありません。
また、プラスチックは掃除もしやすく、
簡単にふくだけでキレイになり、手入れも簡単です。
花のツルなどを這わせて使いたいと考えている場合は、
ワイヤーフェンスを利用すると良いでしょう。
ハンギングバスケットなどをかけて植物を植えるのであれば、
エコランドガーデンラティスがいいでしょう。
取り付け作業がわずらわしいときには、
伸縮フェンススタンドは、ただ置くだけで使え移動も簡単です。
■取り付ける際の注意
一番大切なことは、支柱をしっかり設置することです。
その方法は、土の質、フェンスの高さやデザインにより異なります。
まず、支柱にする木材は、基礎となる場所ですから、
耐久性の高いものを選ぶことが大切です。
また、防虫や防腐も考えて設置します。
重さのある、大きいものを建てる場合は、
「フェンスブロック」を使って、地面の土に打ち込みます。
「メトポスト」は、6.5~9CM角の柱にむいているタイプで、
地面が土になっている場所に打ち込みます。
また、地面が土ではなく、木材やコンクリートの場合は、
一般的に「ポスト受金具」を使用します。
これは、アンカーボルトで固定するようになっています。
詳細は、購入するときによく確認し、設置説明書を参考に作業します。
クレマチスの剪定
キンポウゲ科クレマチス属に属する、「クレマチス」には、
美しく伸びやかな、さまざまな品種があります。
クレマチスは、剪定方法や鉢の大きさにより、
大きくも小さくも栽培できます。
つる植物なのでガーデニングに活かせるのも魅力です。
品種の違いによって、それぞれ、剪定方法が異なるので、
種名、品種名、系統名など確認して育て栽培します。
■クレマチスの剪定
1.クレマチスの剪定方法
クレマチスの剪定は、「弱剪定」「強剪定」「中剪定」、
この3つに分けることができます。
それぞれ剪定の方法は、下記に説明してありますが、
品種名や剪定方法が分からない場合などは、
2月上旬頃に、「中剪定」を行えば安心です。
2.弱剪定
一季咲き性の強いクレマチスが多いです。
花の終わりに、花首、またはその一節下で切り戻すと、
その後伸びてきた枝に、翌春花が咲くようになります。
フォステリー系、モンタナ系、冬咲き(落葉するクレマチス)、
早咲きの大輪のものなどが、この弱剪定に当てはまります。
3.強剪定
四季咲き性の強いクレマチスが多いです。
花のあとに、株元から、2~3節程度の残して切り戻すと、
1ヶ月~1ヶ月半頃に、また開花が見られるようになります。
インテグリフォリア系や、ヴィチセラ系、テキセンシス系などが、
この強剪定に当てはまります。
4.中剪定
中剪定、こちらも、四季咲き性が強いです。
伸びた枝を、花の後に切り戻すと、また、花が咲きます。
少々強めに切り戻すと、新芽が太く長く丈夫に伸びるようになり、
大輪の花も、2ヶ月くらいで、また咲くようになります。
弱く切り戻すと、新芽の伸びも早く、
小~中くらいの花であれば、
1ヶ月ほどで、また花が見られるようになります。
遅咲きの大輪系のものや、早咲きの大輪系のもの、
タングチカ系、テッセン系などが、
この中剪定に当てはまります。
先述の通り、品種名が分からないなど、
どの剪定方法を行えば良いか分からない場合には、
こちらの「中剪定」の方法を参考にするようにしてください。