ガーデニング初心者さんのハーブ
ハーブは少し難しいかな?
と思っている方も多いかもしれませんが、
実は、とても丈夫で育てやすい品種が多いです。
ハーブの中には、原産地で痩せ土地に生えているものも多く、
そのため頻繁に肥料を与える必要がないものがほとんどです。
特に初心者の方でも育てやすく扱いも楽で、
いろいろと利用しやすいハーブをご紹介します。
■環境
ハーブだけでなく、どのような植物にも、
育ちやすい好みの環境があります。
けれど、ハーブは元来とても丈夫な性質ですので、
多少のことなら枯れたりすることはありません。
紹介しているハーブは、どれも日当たりの良い場所を好みますが、
よほど日陰でない限りは、じゅうぶんに育ちます。
ただ、日当たりが悪いと徒長して株姿が乱れることがあります。
ラベンダーのカーペットも素敵ですね
■水やり
ハーブは、基本的には少し乾燥した環境を好むものが多いです。
そのため、水やりのタイミングは、
土の表面が乾いたらたっぷりと、というのが原則です。
ただし、中には少し湿気た環境を好むものがあります。
今回の中では、ミントが少し湿気た環境を好みます。
とはいえ、常にじめじめている環境は苦手ですので、
極端に水はけの悪い土や、鉢皿に水を溜めることは避けましょう。
■収穫
ある程度まで育ったら、収穫を兼ねて切り戻したり、
枝を間引くように剪定してあげます。
そうすることで風通しが良くなり、
蒸れて枯れることが少なくなります。
また、切ったところから脇芽が伸びてきて、枝数が増え、
その後の収穫量がぐんと増えていきます。
シソ科 多年草 花期:7月~8月 草丈:30cm~60cm
用途:料理、ティー、染料、ポプリ 利用箇所:葉、花、茎
イタリア料理には欠かせないハーブで、特にトマトとの相性は抜群です。
ピザソースに使えば、本格的な風味に仕上がります。
栽培は容易ですが、少々湿気に弱いところがあるので、
梅雨の時期は注意が必要です。
収穫を兼ねて枝数を減らして風通しをよくしておきましょう。
・サントリナ(cotton lavender)
キク科 常緑低木 花期:6月~9月 草丈:20cm~60cm
用途:ポプリ、虫よけ 利用箇所:葉、花、茎
料理などには使えませんが、虫よけの効果があるハーブです。
風通しが悪くなると枯れこんでくることがあるので、
枝数を減らすようにして、風通しをよくしておきます。
刈った枝は、乾燥させてポプリにすることができます。
シルバーリーフの品種は、花壇や寄せ植えなどのアクセントにもなります。
シソ科 低木 花期:5月~7月 草丈:5cm~30cm
用途:料理、ティー、染料、ポプリ 利用箇所:葉、花、茎
たくさんの品種があり、匍匐して育つもの、
枝が直立して育つもの、葉が斑入りのものなど様々です。
香りもスパイシーな香りや、オレンジの香り、
レモンの香りなどがありますので、好みのものを選ぶといいでしょう。
タイムは乾燥させても香りがしっかりと残るので、
たくさん収穫したら、乾燥して保存し、いつでも料理に使うことができます。
また、ポプリやサシェなどのクラフトでも、香りを楽しめます。
ユリ科 多年草 花期:5月~6月 草丈:20cm~40cm
用途:料理 利用箇所:葉、花
西洋アサツキとも呼ばれるように、
細いネギのような姿で香りがあり、花がアザミに似てかわいいです。
刻んで卵料理に入れたり、バターに練りこんだりして楽しみます。
初夏には紫色の花を咲かせます。
花の形はネギにできるネギ坊主のような形をしており、
切り花として飾っておくこともできます。
シソ科 一年草 花期:7月~11月 草丈:60cm~90cm
用途:料理、ティー 利用箇所:葉
葉が小さくよく枝分かれしてこんもりと茂るブッシュバジル、
レモンの香りのするレモンバジル、
個性的な濃い紫色をしたダークオパールバジルなどがあり、
どれも料理に使うことができます。
色や形によって、花壇や寄せ植えのアクセントにすることもできます。
栽培は簡単で、種からも容易に育てることができます。
シソ科 多年草 花期:6月~9月 草丈:10cm~100cm
用途:料理、ティー、染料、ポプリ 利用箇所:葉、花、茎
ミントは清涼感のある香りが特徴ですが、品種によって、
レモンやオレンジ、バナナ、リンゴなどの香りがするものもあります。
品種で多少の性質の違いはありますが、基本はとても丈夫で生育旺盛です。
地下茎で伸びて広がるので、地植えにするには注意が必要です。
広がりすぎて収拾がつかなくなることがあるので、
土中に仕切り板を入れるか、鉢植えで楽しむと良いでしょう。
3月のガーデニング作業
3月に入ると、水仙やチューリップなどのさまざまな花が開花を始めます。
冬の間少し寂しかった庭も、だんだんと花が咲き、彩られていきます。
3月は、花木の植え付けや、移植の適切な温度・湿度です。
植物の根が動き出し、新芽が芽生えるときまでに、
病害虫の予防や土づくりを行って、ガーデニングの準備をしましょう。
■防寒具の撤去
寒い冬の間、防寒や風よけのためにかけていた、
マルチなどを3月下旬までには取り除くようにします。
寒さを防ぐために、気温が充分高くなるまで、
そのままにした方がいいかと思われるかもしれません。
しかし、マルチで地温を上げたままにしておくと、
急激に芽が伸びることがあります。
新芽が傷んでしまうと、その後の生育に大きく影響するので、
3月のうちに撤去するようにしましょう。
■株分け・挿し木
ハーブや宿根草などの株分けに適した季節です。
3月上旬はまだ気温が低すぎるので、
気温が安定してくる3月中旬以降がおすすめです。
ただし、ハーブや宿根草の中には、寒さに弱いものがあります。
寒さに弱い植物を無理に株分けしてしまうと、
根を傷めた上に寒さにも当たるので枯れてしまう可能性があります。
寒さに弱い植物を株分けする場合は、
気温が充分に上がってからにしましょう。
また、この時期は剪定に適している庭木も多いです。
剪定を行った後の枝を利用して、挿し木にも挑戦してみましょう。
■害虫対策
気温が上がってくると、どうしても出てくるのが害虫です。
アブラムシなどはどこからともなく飛来し、
植物の新芽や葉の裏などについて吸汁します。
放置するとすぐに数が増えてしまうので、
こまめにチェックして、ついているのを見つけたら、
粘着テープなどで捕殺するようにしましょう。
■庭木の剪定
この時期は、2月に引き続き庭木の剪定に適しています。
庭木の種類によっては、枝を間引いたり、
軽く切り戻すだけの弱剪定がよいものと、
強く切り戻す強剪定がよいものとに分かれます。
・弱剪定
オリーブ、カキ、カツラ、キンカン、キンモクセイ、コムラサキ、
サザンカ、ツバキ、バイカウツギなど
・強剪定
アジサイ(枝の更新)、アベリア、イチイ、コニファー、
サルスベリ、ピラカンサなど
■種まき
3月に入ると、種まきの適期に入る植物が、
野菜・花に関わらずたくさん出てきます。
種から育てた植物が花を咲かせたり、
実をつけたりする喜びは格別です。
・花
バーベナ、アゲラタム、インパチェンス、ペチュニア、アスターなど
・野菜
トマト、ブロッコリー、キャベツ、レタス、ミズナ、コマツナ、ルッコラなど
■苗・球根の植え付け
種まきと同じように、
苗や球根を植え付けることができる植物も増えてきます。
園芸店やホームセンターなどでも、たくさんの苗が並び始める頃です。
よい苗を選び、適期のうちに植え付けましょう。
・花
アリッサム、パンジー、ビオラ、ノースポール、デージー、
プリムラ、マーガレットなど
・球根
アッツザクラ、ラナンキュラス、アマリリスなど
・野菜
ミョウガ、アスパラ、ジャガイモなど
■その他の作業
・花壇の整理
3月以降、次から次へと春の花、
夏の花と種や苗を植え付けるものが増えてきます。
枯れてしまったものは株ごと引き抜いて、
地上部のみが枯れてしまっているものも、刈り取ります。
枯れた株を引き抜いた後は、
スコップなどでよく耕し、残った根などを取り除きます。
元肥となる化成肥料と、土の酸性度を調整するための、
苦土石灰を加えてよく混ぜ、土を作っておきましょう。
・花ガラ摘み
冬の間咲き続けているパンジーやビオラのような花は、
だんだんと春が近づいてくると、さらに花の数を増やします。
こまめに花ガラ摘みを行い、株に負担がかからないようにします。
クロッカス、ヒヤシンス、アイリス、スイセン、チューリップなど、
3月頃から秋に植え付けた球根類も、次々と花をつけ始めます。
ずっと花をつけたままにしておくと、球根が消耗してしまうので、
遅くても花びらが散り始めたら花を摘むようにしましょう。
この時、必ず葉は残しておくようにします。
球根類の葉は、花が終わった後も光合成をして養分を作る役目があります。
2月のガーデニング作業
2月はまだ厳寒期といえる時期ですが、
中旬を過ぎると晴れた日中は少し暖かい日もあります。
秋~初冬にかけて植え付けた球根たちの芽も、
少しずつ地上に見え始めてきたり、
早いものでは花を見られるものもでてきます。
春以降の植物たちが元気に生育する季節に向けて、
ガーデニング計画を立て、準備しておきましょう。
■宿根草の株分け
春に芽が動きだす直前のこの時期、
シュウメイギク、宿根フロックス、スズランなど、
宿根草の株分けが可能です。
株分けは、根を傷つけないように少し大きめに根鉢を掘り上げ、
手やハサミなどを使って株を分けていきます。
あまり小さく分けてしまうと、
花が咲くようになるまで年数がかかってしまうので、
あまり細かくしないように注意しましょう。
■庭木の剪定
1月に引き続き、2月もたくさんの樹木の剪定が可能な時期です。
樹木によって、軽く形を整えるだけのものや、枝を間引くもの、
全体を強く剪定するものなど、合う剪定方法は様々です。
必ず詳しい剪定方法を確認してから剪定を行いましょう。
・枝の間引き、弱剪定
カキ、カシ類、カツラ、ガマズミ、キンカン、クロモジ、
コウラサキシキブ、ツツジ、ツバキ、バイカウツギ、
ハナミズキ、ハナモモ、マンサク、ユズ、ユキヤナギなど
・強剪定
アジサイ(枝の更新)、アベリア、サクラ(必ず切口に保護剤を塗る)、
サルスベリ、バラ、ピラカンサ、ヒペリカム、フジ、ボケ、ムクゲなど
■その他
・種まき
まだまだ寒い時期なので、あまり種まきできるものはありませんが、
花も野菜もいくつかは種まき可能なものがあります。
中には加温が必要なものもあるので注意しましょう。
また、今の季節に春にまく種の計画を立てておくと、
春の寄せ植え、花壇作りや庭作りが上手にできます。
◎加温して種まきができる植物
・草花 キキョウ、スイートピー、ネメシア、
クリサンセマム、カーネーションなど
・野菜 キャベツ、ブロッコリー、ジャガイモ(植え付け)など
・落葉樹の植え付けと植え替え
落葉樹は、落葉していて芽や根が動きだす前のこの時期に、
植え付けと植え替えが可能です。
落葉樹の種類によって、根鉢を崩すものと崩さないものがあるので、
育てたい落葉樹の詳しい植え付け方、植え替え方は調べておきます。
・マツ類のコモをはずす
マツ類の幹の周りにコモを巻いている場合は、
2月中にはずして処分するようにします。
コモ巻きは、マツ類につく害虫がコモの中で越冬しているところを、
コモごと駆除することが目的です。
気温が15℃以上になると、コモの中で越冬している害虫が、
コモの外に出てしまいます。
必ず2月のうちにコモをはずし、処分しておきましょう。
・寒肥
春になり、芽や根が動きだした頃に肥料分が効くように、
ここでは緩効性の肥料を与えるようにします。
基本的には牛糞に油かすや骨粉を混ぜた有機質の肥料を使います。
最近では、寒肥用としてすでに配合された肥料も売られていますので、
そちらを使ってもいいでしょう。
ただし、与える植物に必要な肥料分が充分に入っているかを、
確認することが大切です。
同じ寒肥として売られているものでも、
メーカーによって肥料分の配合比率は様々です。
パッケージの裏などに成分表が書いてありますので、
育てている植物に合ったものかを確認してから購入します。
・つるバラの誘引
2月頃くらいまで、つるバラの誘引が可能です。
すでに落葉しているものはそのまま誘引作業を行っても良いですが、
葉が残っているものは、作業を行う1週間ほど前までに、
残っている葉を落としておきましょう。
冬は休眠しているものと思っていても、葉が残っている状態のものは、
活動したままの可能性があります。
株が活動している状態で誘引や剪定を行うと、
その後の生育に影響するので、必ず葉を全て落とし休眠状態を作りましょう。
・水やり
2月もまだまだ寒い時期です。
朝早くや夕方に水を与えてしまうと、
土が凍って根を傷める原因になります。
比較的気温の高い日中に与えるようにしましょう。
・室内の植物
冬は観葉植物だけでなく、冬越し中の植物も、
室内に置いてあることが多いかと思います。
2月も中旬を過ぎると、晴れた日の日中の室温は意外と上がります。
夜と昼の温度差があまり激しいと、植物に負担がかかってしまいます。
また、土や葉が乾燥しやすくなり、
ハダニなどの害虫が発生することもあります。
気温の高い晴れた日には、外に出して新鮮な空気を吸わせてあげましょう。
ただし、気温が下がり始める頃には、必ず室内に戻してあげます。