初心者さんのバラ栽培
ガーデニングを始めたばかりのときは、バラに憧れますね。
それと同時に、難しそうで高嶺の花とも感じられます。
バラは古くから育てられ、品種改良を繰り返されてきました。
ですから、その中には、病害虫に強い品種や日陰に強い品種、
コンパクトに育つ品種、花持ちが良い品種などが多いです。
とても育てやすく美しい品種が生まれていますので、
ぜひ、好みのバラを選んで栽培してみてください。
■栽培環境
・地植えと鉢植え
バラを育てるにあたって、地植え(庭植え)で育てるか、
鉢植えで育てるかをまず決めるとガーデニング作業がわかりやすいです。
それぞれに長所と短所がありますが、
バラもガーデニングも初心者ということであれば、
地植えできる環境があったとしても、鉢植えをおすすめします。
庭が広いのであれば、地植えと鉢植えの両方で育てるのも、
生長の違いがわかり、興味深いです。
鉢植えを選択した時点で、鉢植えに向く品種を選ぶことになります。
鉢植えに向く品種には、比較的コンパクトに育つものが多いので、
初心者でも管理しやすいです。
また、鉢植えにすることで、真夏や台風などの時に移動させることができます。
鉢を回転させることができるので、株の裏側もチェックでき、
病害虫を早期発見することも可能です。
地植えに比べて、鉢植えは土の量が制限されているので、
土が乾きやすく、肥料分も水を与えた時に流れやすくなります。
けれど、それは少し手をかけるだけで解消されることですので、
心配するほどではありません。
・日当たりは?
バラは基本的に日当たりの良い場所を好む植物です。
1日のうち、特に午前中に3時間以上の日照時間があれば、
ほとんどのバラを育てることはできると言われています。
3時間以上の日照を確保できなくても、
日陰に強い品種を選んだり日照を取れるように工夫することで、
バラを元気に育てることができます。
■バラ栽培に必要な道具
・鉢
鉢の種類にも色々ありますが、
最初はプラスチック製のバラ用鉢を使ってみましょう。
プラスチック製の鉢は軽くて丈夫です。
また、水分が蒸発しにくいので、素焼き鉢に比べて水持ちが良いです。
大きさは株のサイズにもよりますが、
最初は8号サイズを用意しておくと活用しやすいです。
・土
ガーデニングに慣れているかたは、
自分で配合した土を使うということもありますが、
初心者なら専用の培養土を使っても良いでしょう。
今はホームセンターや園芸店などで、
バラ用の培養土が売られています。
今後の経済性や応用力を考えると、
自分で用土を調整できるようにすると良いです。
・肥料
バラを元気に育て、美しい花を咲かせるために、
欠かせない肥料は、あらかじめ準備しておきましょう。
肥料にもバラ専用肥料がありますので、用意しておきます。
・支柱やトレリスなど
育てる品種によって支柱やトレリス、オベリスクなど、
必要なものが違ってきますので、
その品種がどのような生長をするのかよく確認しましょう。
・花台
夏に照り返しで鉢の中の温度が上がりすぎて、
根を傷めてしまうことがあります。
また、底から虫が侵入したり、湿気が上がってきたりします。
それらを防ぐために、花台やレンガなどを置いて、
少し鉢の高さを上げておきましょう。
・薬剤
バラ栽培には病害虫がつきものです。
早期発見することにより、無農薬で育てることもできますが、
それは上級者でもなかなか難しいことです。
バラ専用の混合薬剤が販売されているので、準備しておくと安心です。
・ジョウロ(ホース)
水を与える際に必要になります。
ハス口のついたジョウロか、
シャワーに切り替えができるホースを用意しておきます。
・剪定バサミ
花ガラを切ったり、枝を剪定したりするのに、必ず必要になる道具です。
超高級品を使う必要はありませんが、
よく切れて使い勝手の良い、丈夫なハサミを用意しておきましょう。
・手袋
バラにはトゲがつきものです。
素手で作業をすると、手が傷だらけになってしまいます。
布製の軍手だとトゲを防ぐことができませんので、
革製やバラ用の手袋を用意しましょう。
最近ではホームセンターなどでも安価で丈夫なものがあります。
■バラ栽培の注意点
・枯れ葉、花びら
バラは落葉樹です。だんだん寒くなってくると、葉を落とします。
花びらも同様で、花が散る際に、花びらを落とします。
葉も花びらも風に乗ってどこにいくか分かりません。
近隣の庭やベランダに入り込んでしまい、
迷惑をかける可能性があります。
また、傷んだ葉や花びらが枝に付着して、
そこから病気が発生することもあるので、
枯れた葉や散った花びら、剪定した枝などは、
放置せずに処分するようにしましょう。
・薬剤散布
バラの管理の1つに薬剤散布があります。
定期的に薬剤を散布することで、様々な病害虫の予防になります。
けれど、薬剤が風にのって洗濯物にかかってしまったり、
近隣の方に迷惑になることがあります。
薬剤散布をする時は、風のない時を選んで行いましょう。
■初心者にも育てやすいバラ
・アイスバーグ(Iceberg)
初心者向きのバラでまず挙げられるのが、
純白の花を咲かせるアイスバーグです。
四季咲きで花つきがよく、鉢植えにも向いてます。
トゲが少ないのも魅力です。
・ゴールデン・ボーダー(Golden Border)
直立~ブッシュになる樹形で、
樹高も50cm~70cmとコンパクトです。
黄色いふわふわとした花をたくさん咲かせます。
咲きすすむと黄色から白っぽい色になるので、
1株でグラデーションが楽しめます。
・ピエール・ド・ロンサール(Pierre de Ronsard)
つるバラの中での初心者向けの品種です。
一季咲きではありますが、年々花数が増え、
あふれるほどに美しいカップ咲きの花を咲かせます。