用土 再生方法
[用土 再生方法]
植物を育てていると、庭植えにしろ容器栽培にしろ、
古い土の処分に困ることが多いかと思います。
一度使った土は、病原菌が発生していたり、害虫が住み着いたり、
植物を育てるには少し難のある状態になっています。
また、養分不足や水はけや水もちが悪くなっていることもあります。
春から夏、冬にも、用土再生は比較的簡単にできます。
使った土を再生し、良い土へと変身させる方法を分かりやすくご紹介します。
■春から夏の用土再生
春から夏の暑さを利用して、
古土の中にいる害虫や菌を殺し、清潔な土にする方法です。
太陽光を利用するため、雨の多い梅雨時期ではなく、
暑く晴れた日の多い梅雨前から梅雨明け過ぎの時期に行うのがおすすめです。
1.再生する土を掘り上げる
◎庭上の場合
庭の場合は、再生する分の土をスコップなどで掘り上げます。
掘り上げる時、最低でも20cmほどの深さに掘ると、
その後に植えた植物の生育がよくなります。
一年草など、根があまり深くならないタイプの植物であれば、
たいてい30cmほどの深さまでで根の生育は事足ります。
そのため、20cmまでの浅いところだけを土壌改良しても、
植物の生育に良い影響がでにくいのです。
深く掘るのは大変ですが、20cm~30cmほどの深さの土を掘り上げましょう。
◎容器栽培の場合
鉢やプランターに使った土の場合は、
まだ何か植えてある場合はそれをまず取り除きます。
その後、容器の中に入っている土を、
すべてひっくり返して出してしまいます。
鉢底石や鉢底ネットを使っている場合は、
それらも一緒に出てきますが、後でふるいにかけるので問題ありません。
2.土をふるいにかける
掘り上げた土や、容器から出した土をふるいにかけます。
ふるいにかけることで、土の中に潜んでいたコガネムシの幼虫などの害虫や、植えていた植物の古い根、鉢底石や鉢底ネットなどを取り除くことができます。
3.太陽光で殺菌する
ふるいにかけた土を熱にかけて殺菌・消毒します。
熱をかける方法は色々ありますが、少し時間はかかっても、
太陽光を利用するのが一番効率的で、安全な方法です。
1つは、シートの上などに土を広げて天日干しする方法です。
ビニールシートなどの上に土を乗せ、平らになるように広げます。
できる限り長時間太陽の光が当たる場所に置き、
そのままの状態で1週間~2週間ほど太陽光にさらします。
もう1つは、ビニール袋に入れて熱処理する方法です。
ふるいにかけた土に水をかけ、軽く握って土が固まる程度に湿らせます。
湿らせた土をビニール袋に入れ、
袋の口をゴムなどでしっかり縛って閉じます。
できる限り長い時間太陽光が当たる場所に袋を置き、
1週間~2週間ほど時々袋をひっくり返しながら太陽光にさらします。
太陽光ができるだけ効率よく集まり、熱が発生しやすいようにするため、
ビニール袋は透明や白より黒いものが効果的です。
袋の中の温度は、50℃以上となるので、土をしっかり殺菌します。
また、土の上よりもコンクリートなど、
熱を吸収しやすい場所に置いた方が効果が上がるので、
コンクリートなど適した場所があればそちらに置くようにしましょう。
4.土を作る
殺菌・消毒した土は、ほぼ無菌の状態になっているはずです。
無菌の状態はよくもわるくも菌のいない状態ですので、
良い菌は積極的に足していく必要があります。
また、すでに植物を育てて土の中の養分は抜け、
水はけや水もちも調整が必要な状態になっています。
腐葉土、堆肥、赤玉土か鹿沼土、石灰、化成肥料などを、
適宜加えてよく混ぜ、ふかふかの良い土を作ります。
土のリサイクル材を規定量入れたり、培養土を三分の一混ぜるのが良いです
土を作った後、掘り上げた場所にすぐ戻すことは可能ですが、
その後すぐに植物を植えるのは控えます。
容器栽培に使用する場合も、土作りが終わった後、
なじむまで2週間ほど置いてから土を使用すると良いです。
■冬の用土再生
冬の寒さを利用して、土の中をキレイにし、良い土に戻します。
寒さを利用するため、厳寒期である12月~2月に行うのがおすすめです。
1.再生する土を掘り上げる
庭の場合、スコップを入れて深さ20cm~30cmほどの深さの土を、
できるだけ塊の状態で掘り上げます。
掘り上げた土は崩さずに、塊のまま放置します。
容器栽培の場合は、シートなどの上で、
容器をそのままひっくり返し、中の土を出します。
鉢底石や鉢底ネットも一緒にひっくり返って出てくるので、
できる限り土の塊を崩さないように、石やネットを手で取り除きます。
2.そのまま放置する
掘り上げた土、ひっくり返した土を塊の状態のままで1ヶ月ほど放置します。
この放置している間に、土が凍ったり溶けたりを繰り返し、
中にいる害虫や菌が死滅し、団粒構造が戻ってきます。
3.土をふるいにかける
1ヶ月ほど経ったら、放置していた土をふるいにかけます。
ふるいにかけた時、育てていた植物の古い根や石、
鉢底石や鉢底ネットなどの残りが出てきたら、取り除いておきます。
4.土を作る
ふるいにかけた土を、夏の再生と同じように、
足りないものを補って土作りを行います。
土作りを行った後は、すぐに埋め戻しが可能ですが、
こちらも2週間ほど放置しなじませるようにしてから植え付けをします。
容器栽培の場合も同じです。